判決による登記 執行文の要・不要

先日、「交換」を原因とする所有権移転登記が完了しました。

弁護士からの依頼で、「調停調書」を使っての登記です。

この場合、裁判所で決着がついているので、所有権を受ける側(権利者)一人で申請ができてしまいます。
所有権を渡す側の意思は判決により「擬制」されるので、権利書や印鑑証明も要りません。

でも、調書を良く読むと、所有権「交換」の条件として、何やらずらずらと書いてあります。

~建物を取り壊し、樹木を引き抜き、塀を壊し、更地にすること~

さて、この場合そのまま登記ができるのでしょうか?

答えは、NOです。
この場合、裁判所へ更地にした事を証明し、裁判所から「執行文」を付与してもらわなければ、登記はできません。
幸い1週間ほどで執行文が出ましたので、それを添付して、晴れて登記申請できました。

今回苦労したのは、更地にしたことを、誰がどんな風に証明するのか、でした。
解体業者さんにご協力頂き、証明書を作成し、更地の写真を添付して無事執行文が取れました。

☆民事執行法174条

債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。

受験勉強で勉強した事ですが、こうして、現実に携わってみると、法律の規定に意味があることが良く分かり、
またまた勉強になりました!