相続人の中に破産者がいる場合
先日、法務省民事局より、こんな通知が届きました。
「相続人の中に破産者がいる場合の相続の登記の申請における相続を証する情報の取扱いについて」
相続人間で遺産分割協議をしようとしたところ、相続人の一人が破産者である場合、通常通り、遺産分割協議ができるのか?
→できない。
破産者自身は遺産分割協議に参加できず、破産管財人が裁判所の許可を受けて、協議に参加する。
分割協議書に押印するのは、破産管財人なんですね。
破産者は、「破産手続開始時に有する財産」の財産管理権を失うので、破産手続開始決定の時にすでに相続が開始していれば、相続財産は、「破産手続開始時に有する財産」になるんですね。
たとえ遺産分割協議が終わってなくても。
なので、その相続財産の管理処分権までも失ってしまうのですね。
相続人の破産については、破産法の改正により色々変わったようです。
一般の方の相続財産のメインは、不動産ですから、司法書士も知らないわけには行かないですねぇ。
少し勉強します(^_^;)
法務省民事局からの通知「相続人の中に破産者がいる場合の相続の登記の申請における相続を証する情報の取扱いについて」が、平成22年8月24日付法務省民二第2078号のことをおっしゃっているなら、
この通知のどこにも「相続人間で遺産分割協議をしようとしたところ、相続人の一人が破産者である場合、通常通り、遺産分割協議ができるのか?
→できない。」
…というようなことは書かれていないと思うのですが?
この通知の趣旨は、
「破産管財人が他の相続人から調停または審判を申し立てられて、当事者となって、遺産分割調停が成立した事例」及び
「裁判所の許可を得て、破産管財人が遺産分割協議した事例」において、
「相続を登記原因とする登記申請の添付書面」は、
前者は調停調書または審判書の正本、後者は裁判所の許可書を添付すればいいのか?・・・なぜならば「破産管財人はそもそも遺産分割に関する調停又は審判において、当事者適格を有していないし、遺産分割協議の当事者となることはできない」はずだから。
…できないはずだけど、裁判所が関与して、あるいは、許可しているから、その「関与した証拠=調停調書」もしくは「許可書」を添付すれば登記申請は受け付けてもらえますか?
…という意味では?
コメントありがとうございます。
そうですね、おっしゃる通りです。
登記の添付書類は一般の方にはあまりご興味ないでしょうから、分かりやすい部分だけを取り上げたため、このような記事になってしまいました。
この通知の背景として、破産決定開始の時点で相続が発生していた場合、
その相続財産は破産者の一存では分割協議することができない、ということを申し上げたかったのですが…。
誤解を招く表現をしましたこと、お詫び申し上げます。